「形」

形とは、意味の体系である。

世界に形が誕生し、その誕生したという一つの契機は、形それ自体に一つの限定性を与え、与えられた一つの限定性は、また一つ形に限定性を与え、形は自らに与えられた自らの限定性によって、連鎖的にある一定の方向を指し示してゆき、形は一つの具体的な形を形成してゆく。

出来上がった形は、意味を孕む。
具体的なひとつの形があるということは、形それ自体の意味だてによって形造られたものなのだ。

私達人間の形もその通りである。
世界が誕生した瞬間、各種多様な可能性体であった私達は、ある偶然のような一契機から、その偶然は必然となり、このように具体的な形をとるまでになり、このように具体的な世界を生きている。

具体的な意味付けの先端であるような我々、我々の形に変容を加えるとき、それは意味の変容となり、また違う別の価値世界の呼び込みを感じとるだろう。

形を持った我々はそのことを直感的に、或いは我々を形造ったこの形成暦的に、既に識っているのだ。