エッセイ

私達が属しているこの世界と「重なるように」存在する、ある広大な世界がある。
そこでは一切が可能であり、一切の可能性が試されている。
私達はその世界の存在を通常無視しているかのようであるが、私達は常にその世界を知覚しているのだ。
その世界は、例えば人生の生き辛さから、それに対処するように私達が考え出したものではなく、私達はそこから生まれ出て来たのである。
人生を虚しいものと看做し、自分という一人の人間が与えられていることに対し、不可思議だと感じる私達人間の背後 ...

エッセイ

形とは、意味の体系である。

世界に形が誕生し、その誕生したという一つの契機は、形それ自体に一つの限定性を与え、与えられた一つの限定性は、また一つ形に限定性を与え、形は自らに与えられた自らの限定性によって、連鎖的にある一定の方向を指し示してゆき、形は一つの具体的な形を形成してゆく。

出来上がった形は、意味を孕む。
具体的なひとつの形があるということは、形それ自体の意味だてによって形造られたものなのだ。

私達人間の形もその通りである。
世界が ...